留袖と振袖の違いは?それぞれどういう時に着るの?
着物の種類には色々と細かく分かれていますよね。
しかもそれぞれが着用するシーン、立場まで分かれているのでとても複雑な関係となっています。
物によっては着用するシーンをを間違えると自分自身だけではなく周囲の人にまで恥をかかせてしまうこともありますから慎重に選ぶ必要があります。
さてそんな着物の中で特徴的な違いとして振袖と留袖があります。
見た目にも大きくちがうこの2種類の着物ですが正確には何が違うのでしょうか?
またそれぞれの着用シーンの違いは?
今回はそのあたりを見てみましょう。
どうして振袖と留袖があるのか
なぜ振袖と留袖に分かれているのでしょうか?
その理由は振袖は既婚者が着用するもので留袖は既婚者が着用するものとされているためです。
よく成人式で着物を着ている女性を見かけると思いますが殆どの方、全部と言っていいほどですが着物を着用されている方は振袖を着ています。
また結婚式で参列している方を見てみても既婚者は留袖を、未婚者は振袖をそれぞれ着ていることがわかるとおもいます。
年齢的な制限は特に明確にされているわけではありませんが、一般的には未婚者でも30歳までが振袖を着用できる目安だと言われています。
なお留袖には色留袖と黒留袖がありますがこの内黒留袖は既婚者が着るものですが色留袖については既婚者・未婚者どちらが着用しても問題はありません。
着用シーンの違い
種類としての違いの有る振袖と留袖ですがやはり着用するべきシーンにも違いが見られます。
ここを間違えるととても恥ずかしい思いをする場合もありますのでしっかり覚えておきましょう。
・留袖の場合
色留袖と黒留袖で若干変化はありますが主に結婚式での着用が多い着物です。
結婚式の中でも新郎新婦の友人として招かれた場合や親戚として、上司の妻としてなどがあります。
その他宮中の正礼装にもあたります。
(ただし宮中は黒色は禁止なので黒留袖は避けましょう)
また格式の高い場であれば大体は着用でき、パーティーや結納などの場にも向いています。
反対に格式の低い場には不釣り合いで逆に浮いてしまいますので注意が必要となります。
・振袖の場合
振袖は主に人生の節目に着用するシーンが多い着物です。
結婚式で花嫁のお色直しで着用するシーンが最も有名でしょう。
同時に参列者としても未婚者であれば着用することが出来ます。
また結納やお見合いなどでも着用が可能です。
他にも成人式で振袖を着用する姿もよく見かけると思います。
他にも大学や短大などの卒業式では袴姿の振袖を着用されている方をイメージすることも多いでしょう。
こういったシーンにも振袖は最適となっています。
このような差がある留袖と振袖ですが共通している項目としてはどちらもフォーマルドレスと同じ扱いだという点ことを覚えておきましょう。
振袖と留袖のはじまり
そもそもの振袖と留袖のはじまりはどこからなのでしょうか?
歴史を辿ってみると平安時代まで遡ることになります。
平安時代の貴族の間では日常的に十二単を着ていました。
この十二単、重量はなんと15kgもあったと言われています。
この十二単の下に着ていたものが小袖と呼ばれ、これが一般大衆の間で流行しはじめる時期がありました。
これが着物の原型であると言われています。
その後まず振袖が生まれ、後に留袖が生まれるようになっていきます。
ちなみに振袖着物は現代では女性が着るものとなっていましたが当時は男女関係なく共通の衣類でした。
それを象徴するものに1657年に起きた明暦の大火の原因のひとつと呼ばれているものがあり、とある裕福な質屋の娘が街を行く振袖を着た少年に一目惚れ、立場の違いにより結ばれることはないためその少年の振袖と同じものをを作らせそれを抱いて面影を恋焦がれていたという逸話があります。
これがどう明暦の大火に繋がったかというのはご興味が有る方は「明暦の大火 本妙寺失火説」で調べてみると良いでしょう。